介護過程の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の自立を支援する。
2 画一的に介護を実践する。
3 介護福祉職の尊厳を保持する。
4 家族介護者の自己実現を図る。
5 経験則に基づいて介護を実践する。
利用者の情報収集における留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 生活歴は,介護福祉職の主観的判断を優先する。
2 生活機能は,他職種からの情報も活用する。
3 発言内容は,介護福祉職の解釈を加える。
4 経済状況は,近隣住民の情報から推測する。
5 心身機能は,利用者への聞き取りによって判断する。
生活課題の優先順位を決定する上で,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者が要望する頻度の多いものから決定する。
2 介護福祉職が評価しやすいものから決定する。
3 家族の負担が大きく軽減するものから決定する。
4 緊急性が高いものから決定する。
5 課題に取り組む準備期間が短いものから決定する。
介護計画を実施するときの留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護計画の遂行自体を目的にする。
2 実施内容は個々の介護福祉職に任せる。
3 介護福祉職の満足度を基に継続を判断する。
4 介護計画の変更内容の説明は省略する。
5 利用者の反応や変化を観察する。
Gさん(79歳,男性)は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。短期目標を「なじみの店で買物ができる(2か月)」として,月3回の買物を計画し実施した。初回は順調であったが,2回目にレジで後ろに並ぶ人から,「遅い,早くして」と言われて,H介護福祉職が支払った。GさんはH介護福祉職に,「ほしい物を選んでも,自分で支払わないと買った気にならん」と言い,その後,楽しみにしていた買物に行かなくなった。
ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の視点に基づいて介護計画の内容を見直すにあたり,最も配慮すべき構成要素を1つ選びなさい。
1 身体構造
2 個人因子
3 心身機能
4 環境因子
5 活動
〔事 例〕
Jさん(71歳,男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して,右大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し,下肢機能訓練により杖歩行も可能であると診断されている。しかし,訓練への参加は消極的であり,入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から,下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。
入所後のJさんは,日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。排泄に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく,食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが,「ああ,うん…」と言うだけで訓練に参加していない。
面会に来た妻によると,Jさんは,「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また,妻は,「仕事が大好きで,仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。
Jさんに対する長期目標の方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 病院で機能訓練をすること
2 施設での生活に慣れること
3 造園業に再び携わること
4 話し相手を見つけること
5 新しい趣味を見つけること
在宅復帰を目指すJさんに対する短期目標を,「外出することができる(1週間)」とした。
短期目標に基づく支援内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 車いすで20~30分過ごしてもらう。
2 歩行器の使用を促す。
3 下肢を1日1 回外転する。
4 トイレへの移乗訓練を行う。
5 骨折部位の回復を確認する。
Kさん(82歳,女性)は,身寄りがなく自宅で一人暮らしをしている。週1回利用している通所介護(デイサービス)で送迎を担当しているL介護福祉職は,Kさんから,「この間,いつもより膝の痛みが強くなって玄関で立てなくなった。ちょうど民生委員さんが来てくれて,一緒に受診して痛みは治まったの。医師から膝は痛むことがあるが生活に支障はないと言われたけど,いつまでこの家にいられるかしら」と打ち明けられた。その日の夕方,自宅へ送った時にKさんは,「施設の生活はにぎやかで,さぞ楽しいでしょうね」と話して,涙ぐんだ。発言を受けて,その場で本人の同意を取り,翌日,事業所内のカンファレンス(conference)が行われた。
L介護福祉職が話す内容として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 膝の痛みがなくならない理由
2 身寄りがないこと
3 施設に入所するタイミング
4 玄関で活用できる福祉用具
5 在宅生活の継続への不安
介護過程は、アセスメント・計画作成・実施・評価という流れをどう回していくかというのが問われます。
アセスメントにはどのような情報が必要なのか、その情報性は客観的で正確な情報なのか。本人の思いはどうなのか。
どのような計画を立てるのか、長期目標は本人の個別性を十分反映したものになっているのか。
実施では介護職の独りよがりな実施になっていないか、記録は客観的な内容で記載されているか。
評価では、新しい課題への対応、次の計画への展開など。
介護過程の中のどのフェーズなのかを意識して問題を読み解いてみましょう。
Gさん(66歳、女性)は.1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症して片麻痺になった。在宅復帰を目指し、介護老人保健施設に入所して、「家に帰れるように頑張らなくちゃ」と熱心に立位訓練に取り組んでいた。しかし、同居していた孫が3日前に訪れてから、「体調が悪い」と言って、閉じこもり、食事は半分も食べなくなった。傾聴ボランティアがGさんの居室を訪れると、「訓練しても帰るところがない」と泣いて話したという。
Gさんに対する介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食事量を評価して、栄養指導を行う。
2 立位訓練を評価して、回復状況を把握する。
3 家族と調整して、退所後の住まいを整える。
4 サービス担当者会議に孫を招集する。
5 傾聴ボランティアの情報を基に、本人の生活ニーズを確認する。
Fさん(75歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)である。家族の介護負担が増加して、3日前から介護老人保健施設に入所している。入所前から、トイレに間に合わずに尿失禁をしてしまうことがあるため、昼夜、リハビリパンツを使用している。歩行は自立している。夜間、トイレに起きているが、その後、眠っていることが確認されている。
Fさんの尿失禁の改善を目標に収集する情報として、最も優先度の高いものを1つ選びなさい。
1 介護負担となっている家族背景
2 施設生活に対する不安
3 夜間の中途覚醒状況
4 トイレに行く時間帯
5 歩行に必要な下肢筋力
Eさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。廊下を頻繁に歩き、他の利用者の部屋に入ってはトラブルになりかけている。介護福祉職が声をかけると、「私には行くところがある」と怒鳴る。Eさんのアセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 怒鳴られた介護福祉職の気持ちを情報として活用する。
2 「廊下を頻繁に歩かないこと」を生活課題に設定する。
3 他の利用者とトラブルになりかけている情報は不要と判断する。
4 「私には行くところがある」という言葉を解釈する。
5 言動から短気な性格だと考えて分析する。
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