利用者とのコミュニケーションにおいて逆転移が起きている事例に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自分が利用者を嫌いなのに,利用者が自分を嫌っていると思い込む。
2 亡くなった祖母と似ている利用者に,無意識に頻繁に関わる。
3 利用者に対する不満を直接ぶつけずに,机を強くたたいて発散する。
4 敬意を抱いている利用者の口癖を,自分もまねて用いる。
5 利用者に対する嫌悪の感情を抑え,過剰に優しく利用者に接する。
介護福祉職が行う傾聴に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者が抱いている感情を推察する。
2 利用者が話す内容を介護福祉職の価値観で判断する。
3 対話の話題を介護福祉職の関心で展開する。
4 利用者が体験した客観的事実の把握を目的とする。
5 利用者が沈黙しないように対話する。
Hさん(75歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)を発症して入院し,後遺症として左片麻痺が残った。退院後,介護老人保健施設に入所し,在宅復帰を目指してリハビリテーションに取り組んでいる。ある日,HさんはJ介護福祉職に,「リハビリを頑張っているけれど,なかなかうまくいかない。このままで自宅に戻れるようになるのか…」と暗い表情で話しかけてきた。
このときの,Hさんに対するJ介護福祉職の共感的な応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「不安な気持ちに負けてはいけません」
2 「きっと自宅に戻れますよ」
3 「Hさんが不安に思う必要はありません」
4 「不安に思っているHさんがかわいそうです」
5 「リハビリがうまくいかなくて不安なのですね」
次の事例を読んで,問題30,問題31 について答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(75歳,女性)は,小学校教諭を定年退職した後,しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが,認知症(dementia)を発症し,介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後,初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって,「ここで,国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて,介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から,「母が,学校で教えていると言った時,どうしたらよいでしょうか」と質問があった。
このときの,息子に対する応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「ここは学校ではないので,息子さんから直してあげてください」
2 「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」
3 「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」
4 「認知症(dementia)が進行しているので仕方ありません」
5 「私たちも息子さんと同じように困っているんです」
Kさんの病状は進み,自分から話すことはほとんどなくなり,こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり,という状況になった。
このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 沈黙を守る。
2 表情を一定に保つ。
3 開かれた質問を使う。
4 ボディタッチを増やす。
5 コミュニケーションノートを使う。
Lさん(30歳,女性)は,パートタイムで仕事をしながら,自宅で母の介護をしてきた。ある日,母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたM訪問介護員(ホームヘルパー)に対して,Lさんは,「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて,行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。
このときのM訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 それは現実のことではないと説明する。
2 気にしなくてもよいと話をそらす。
3 Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。
4 監視されているのは間違いないと肯定する。
5 Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。
叙述体を用いて介護記録を作成するときの留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 情報を項目別に整理する。
2 問題のポイントを明確にする。
3 介護福祉職の解釈を記録する。
4 論点を明確にする。
5 利用者に起こったことをそのまま記録する。
介護福祉職が行う報告の留意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 報告するときは,自分の意見を最初に述べる。
2 予定より時間がかかる業務であっても,完了後に報告する。
3 起こった事実は,抽象的な言葉で報告する。
4 指示を受けた業務の報告は,指示者に行う。
5 自分の推測を,事実であるとみなして伝える。
コミュニケーション技術といっても多様です。対利用者のコミュニケーションなのか、それとも職場内でのコミュニケーションなのか。それをまずは問題文から見極めましょう。
利用者に対しては支持的なアプローチをするイメージで、むやみに励ましたり・努力を強要すると不正解になりやすいので注意しましょう。
職場内でのコミュニケーションに関しては、多職種連携が求められていますので、情報をより客観的に事実を伝える・記録することなどを意識しましょう。
Aさん(97歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。最近、衰弱が進んで水も飲めなくなり、「もう、逝ってもいいんだけどね」とつぶやくことが増えた。
ある日、夜勤の介護福祉職がAさんの様子を確認しようとベッドに近づくと、Aさんが目を開けて、「お迎えはまだかしらね」と穏やかな顔で言った。
Aさんの発言に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさ い。
1 何も考えずに早く寝た方がいいと就寝を促す。
2 Aさんの手を握り、ゆっくりさする。
3 そのような言葉を言ってはいけないと伝える。
4 明日、家族に連絡して来てもらうことを伝える。
5 いつものことだと思って、声をかけずにそのまま部屋を出る。
Lさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。中等度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断されて、担当のM介護福祉職(男性)を、既に亡くなった自分の夫であると認識している。
何か心配なことがあると、M介護福祉職を探しだして「お父さん聞いて・・・」と不安そうな表情で話してくる。
不安そうな表情で話すLさんへの、M介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 女性職員に対応してもらうように伝える。
2 夫は既に亡くなっていることを伝える。
3 Lさんの話しに耳を傾ける。
4 おしぼり畳みの軽作業を依頼する。
5 忙しくて手が離せないことを伝える。
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