介護福祉士国家試験には実技試験があります。
介護という、非常に個別性の高く、マニュアルどおりに運ばない技術を試験にするというのはいったいいかがなものか。。。
実技試験で一度落ちた経験のある者として、この実技試験の傾向と対策をここで紹介します。
筆記試験の合格者は実技試験を受験することになります。
実技試験に自身が無い方は、実技試験を免除するための介護技術講習会がありますので、
その講習を受けて、実技試験をパスするというのもひとつの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
実技試験は、午前組と午後組に分かれるのが大きな特徴です。
午前組は、午前中に試験を行うのですが、試験が終わったからといって会場を後にすることはできません。
午後組に試験問題を流出する可能性があることから、午後組が会場入りするまで、午前組は全員会場内に待機しなければいけません。
待機というよりは幽閉に近いものがありますが。。。
午後組は試験終了後に帰ることができます。
受験者数が多いため、このような午前・午後に分けての試験となるわけですが、もっとうまいこと運営ができないものかと。。。
持ち物は、受験票。それと上履き。
それ以外は必要ありません。
が、場合によっては待ち時間がかなり長くなります。
自分は2回とも午後の受験でしたが、2回とも4時間以上会場で待たされました。
実技試験の過去問題などの参考書があれば持って行けば試験までの時間に復習ができますよ。
午前の受験者は、試験終了後も会場内待機となりますので、暇つぶしの本でも持っていった方がいいかもしれません。
服装は、介護業務に適した動きやすい服装、という指定になっています。
ジャージやトレーナーなどでいいと思いますが、職場のユニフォームの方も多かったです。
普段使い慣れている服装や靴などを使うほうが気持ち的にも楽かもしれませんね。
着替える時間は会場内でたっぷりあります。
そして、携帯電話。
筆記試験ではそれほど厳しくありませんが、実技試験のときは、試験問題の流出を防ぐために、厳しく注意があります。
会場内の携帯電話持ち込みは厳禁です。
会場前で携帯電話の一時預かりを行っていますが、これが大行列。
落ち着いて試験に臨みたい人は、会場入りする前に、駅のコインロッカーにでも入れておくことをお勧めします。
試験は学校で行われましたが、いくつもの教室で同時進行で行われています。
ホールや大教室で順番が来るまで待ち、順番になると、まず待機室(教室)に誘導されます。
待機室では、試験問題の紙を渡され、試験の課題が発表されます。
そこから最低でも10分間は時間がありますので、課題をクリアするためのイメージトレーニングをします。
どの場面でどう声かけをして、どこを支えて、何を選択してもらうのか、など、細かい動きまでしっかり頭に入れておくことが必要です。
そして、時間になると、実技試験が行われる教室の前に移動します。
教室内から聞こえてくる声もかなり気になります。
実技試験の教室には、モデルと試験官がいます。
モデルは福祉系の専門学校などの学生さんです。若い女性が多いので、余計に緊張します。
基本的に、声かけをしないと動きません。
返事もなく、YESのときにうなずくのみです。おまけに無表情・・・。
モデルの当たり外れっていうのもない訳ではないと思います。。。
けれど、モデルさんと試験官さんによろしくお願いします、の挨拶はしっかりしておきましょう。
課題の紙の情報と、その部屋の状況をしっかり把握したら、覚悟を決めて、実技試験スタートです。
実技試験はわずか5分間。
課題にあるいくつかのポイントを確実にこなしていくことで加点されます。
介護福祉士として、必要な要件は3つの基本ができているかどうかが見極められるテストです。
この3つの視点を忘れなければ、この試験はクリアできます。
入浴場面ということで、安全・安楽といったリスクマネジメントの面でチェックポイントが多かったような気がします。
具体的にはこのくらいのチェックポイントがあったと思われます。
実技試験にでてくるモデルは、方麻痺半介助のケースしかありません(少なくとも今までは)。
入浴場面ということもあり、麻痺側の保護と、滑りやすい浴室での転倒防止といったポイントは外せません。
残存機能の活用という点では、着脱や立位などの場面。
尊厳の確保では、挨拶や声かけでのマナー。
肌を必要以上に露出させないなどといったプライバシーの確保も今回の問題のポイントでした。
相手がどの程度のレベルが課題の文章から判断が難しい場合もあります。
問題文には「一部介助が必要です」「介助が必要です」「支えれば立位(歩行)は可能です」といった一文が必ずのっていますので、そこからある程度は判断できます。
それでも判断に迷うときは、できるだけ相手にやってもらえるように声かけし、反応が無ければ一部介助、それでも駄目なら全介助、と、考えていくことが望ましいと思います。
忘れてはいけないこと。
実技受験者の9割近くは合格します。
落ち着いてできれば、きっと合格できるはず、と自分に言い聞かせましょう。
自分は一回落ちましたが。
ろくに準備もせずに自信を持って臨みましたが、やはり試験ですので、そのための準備・対策は必要、というのが教訓かな・・・。