月: 2017年2月

お知らせ

平成29年介護福祉士国家試験、迷走する模範解答。

お知らせ

さて、今回の介護福祉士国家試験を受験されたみなさま、
気持ちをすでに切り替えて日々の業務に当たられている方、
ショックを引きずっている方、
それぞれに感想をお持ちかと思います。
まだ合格基準のボーダーもわかりませんし、
そもそも模範解答の確実性というのも疑問符が付きます。
解答速報を公開している各サイトの模範解答を比較すると、
解答が一致していない問題が実はまだ3問もあります。
こういった国家試験の問題で、
その道の専門家が模範解答を考えていて、
それでも意見が一致しない試験って
はたして国家試験といっていいのかそもそも疑問なのですが。
具体的には
問32
ヒヤリ・ハット報告書に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 口頭で報告したことは,報告書に記載しなくてもよい。
2 報告者の責任を追及することを目的とする。
3 介護事故の状況を報告する。
4 管理者以外の職員の目にふれないように保管する。
5 事故報告書とは分けて記載する。
3と5とで意見が分かれています。
事故報告とヒヤリハットを明確に区別するという根拠がどこにあるかといえばそうなのですが、
正解としては5の可能性が強いでしょうか。
問42
実行機能障害のある利用者への更衣の介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 季節に合う衣類を介護福祉職が選ぶ。
2 利用者の好みよりも機能性を重視する。
3 必要な衣類をまとめて渡す。
4 隣で,洋服を着る動作を示す。
5 着る順番を紙に書いて渡す。
これは4と5で意見が分かれていますが、
紙で書いて渡してもわからないだろうということで
更衣の介護としての有効性は疑問ですが、4の可能性が高いでしょうか。
問87
Dさん(30歳、女性)は脳性麻痺(のうせいまひ)で下肢の運動機能障害があり、電動車いすを使用している。Dさんは、自己決定・自己責任による生活をしたいと考えて、一人暮らしを始めた。週に一度ピアカウンセリングのボランティアをして、友人と一緒に趣味の映画鑑賞に出かけることを楽しみにしている。
Dさんに関する次の記述のうち、ICF(International Classification of Functioning):国際生活機能分類)の「環境因子」に分類さあれるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 下肢の運動機能障害があること
2 電動車いすを使用していること。
3 ボランティアをしていること
4 仲の良い友人がいること
5 映画鑑賞が興味であること
4と2で割れていますね。
毎回毎回出題されているICFに関する問題であってもこれほど不確実なのです。
福祉用具等は環境因子に含まれることからおそらく2に該当すると思われますが、
人的環境も環境因子なので4といってもいい気がします。
はたから見てもなんだか納得がいかない試験問題ですが、
これを不適切問題とみなすかどうか、という点にも注目していきたいと思います。

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