月: 2008年4月

お知らせ

介護福祉士国家試験合格発表。3つも不適切問題があるって、どういうこと?

介護福祉士国家試験の合格発表が行われました。
今年は、
142,765人が受験し、73,302人が合格しました。
合格率は51%。昨年よりも若干高くなったかな。
その合格率にも大きく影響したと思われるのがこの試験での不適切問題。
なんと、3問も不適切とされ、全員に得点となる問題がありました。

午前 問題2
  問題 2  我が国の人口動態に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,
  その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A  総人口に占める65歳以上人口の割合(老年人口比率)が,昭和45年に7%を超え,平成6年には14%を超えた。
B  人口推計年報(総務省,平成18年10月1日現在)によれば,平成17年に老年人口比率は20%を超えるまでになり,同年に第二次世界大戦後初めて総人口が減少した。
C  合計特殊出生率は,第一次ベビーブーム以降低下傾向にあり,第二次ベビーブーム後の昭和50年代には2.00を割り込み,平成17年には1.25になった。
D  人口ピラミッドは,かつては第一次ベビーブーム世代と第二次ベビーブーム世代を中心とした二つのふくらみを持つ「逆ひょうたん型」であったが,今日では世代間が均等となった「釣り鐘型」になっている。
【組み合わせ】
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○
採点上の取扱い
 全員に得点する。
理由
 問題文A、Bについては、正しい。
 Cについては、平成17年の合計特殊出生率は、概数として1.25と発表されたが、その後確定数は1.26とされたため、誤りである。
 Dについては、人口ピラミッドは今日でも「逆ひょうたん型」であるため、誤りである。
 したがって、正答となる選択肢がない。

午前 問題14
  問題 14 介護保険制度における介護サービス情報の公表制度に関する次の記述のうち,適切なものの
  組み合わせを一つ選びなさい。
A  利用者の権利擁護,サービスの質の向上等に資する情報提供の環境整備を図るためのものである。
B  原則として,1年間の介護報酬の額が100万円を超えるすべての介護サービス事業者に都道府県知事への報告が義務づけられている。
C  指定情報公表センターは,全国に1か所である。
D  指定調査機関は,市町村長が指定する。
【組み合わせ】
1 A B
2 A C
3 A D
4 B C
5 C D
採点上の取扱い
 全員に得点する。
理由
 問題文Aについては、正しい。
 Bについては、報告が義務付けられているのは100万円を超える事業所についてであり、事業者全体として100万円を超える場合ではないので、誤りである。
 Cについては、各都道府県に一か所を指定することとなっているため誤りである。
 Dについては、都道府県知事が指定するものであるため誤りである。
 したがって、正答となる選択肢がない。

午後 問題73
  問題 73 社会福祉士及び介護福祉士法に規定する介護福祉士の義務等に関する次の文章の空欄A,B,C
  に該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
・  介護福祉士は,介護福祉士の空欄A を傷つけるような行為をしてはならない。
・  介護福祉士は,正当な理由がなく,その業務に関して知り得た人の空欄B を漏らしてはならない。
・  介護福祉士は,その業務を行うに当たっては,医師その他の医療関係者との空欄C を保たなければならない。
A B C
1 信用 ― 情報 ― 連携
2 名誉 ― 情報 ― 調和
3 名誉 ― 秘密 ― 調和
4 信用 ― 秘密 ― 連携
5 名誉 ― 情報 ― 連携
採点上の取扱い
 全員に得点する。
理由
 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律(平成19年法律第125号)により、空欄Cにかかる該当条文が改正されており、問題として成立しない。

国家試験でこんなにもたくさん不適切問題を出すくらいだったら、
受験費用を返せといいたくもなるでしょう。
それと、不適切問題だったことを報告するのが、合格発表を待ってからでは遅すぎるんじゃないの?

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