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第31回介護福祉士国家試験過去問題 こころとからだのしくみ

こころとからだのしくみ

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度) 問題97

ライチャード(Reichard, S.)による老年期の性格類型において,円熟型に該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。

1 自分の過去に対して自責の念を抱く。
2 年を取ることをありのまま受け入れていく。
3 若いときの積極的な活動を維持する。
4 他者の援助に依存する。
5 責任から解放されることを好む。

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正解:2

ライチャードの分類です。これも頻出問題。

注意しておきましょう。

ライチャードの分類について簡単におさらい。

ライチャードの分類 (老年看護対象論スライドより

円熟型になると、受容・建設的・積極的社会活動を行うということで、「年を取ることをありのまま受け入れていく」というという2番の選択肢が正解ですね。

それ以外にも、依存型・防衛型・自責型・憤怒型という類型があります。これは別に円熟型に至るまでのプロセスというわけではなく、パーソナリティ分類です。

年を取ってからやけに怒りっぽくなったよな、とか、年寄になったら急に丸くなったよな、とかいうパーソナリティの部分ですよね。

ちょっと障害受容のプロセスに近い内容なんですけど、これはプロセスではなくてパターンの類型になりますので混同しないように注意しましょう。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題98

臓器とその機能の組合せとして,正しいものを1つ選びなさい。

1  肝臓――グリコーゲン(glycogen)の貯蔵
2  膀胱――尿の濃縮
3  小脳――呼吸中枢
4  副腎――インスリン(insulin)の分泌
5  心臓――ガス交換

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正解:1

正解は肝臓とグリコーゲンの貯蔵という組み合わせですね。

膀胱は尿を作る場所であって濃縮する場所ではありません。

ちょっと介護職には苦手な問題だと思いますが、せめて5の心臓ーガス交換は違うな、とわかっていてほしいですかね。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題99

唾液腺と唾液に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 副交感神経は唾液分泌を抑制する。
2 唾液分泌は食事摂取時に限られる。
3 耳下腺の導管は口腔底に開口する。
4 唾液には抗菌作用がある。
5 舌下腺は小唾液腺である。

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正解:4

唾液には抗菌作用があります。

唾液の機能は様々です。

食物を消化する消化作用。これはでんぷん質を糖に変える機能で、唾液中に含まれるアミラーゼという酵素で分解し、吸収しやすくします。

唾液には抗菌作用があり、唾液の分泌が少ないと肺炎にかかりやすくなります。そのため、ドライマウスは感染症対策としても非常に重要です。

さらには粘膜保護作用、粘膜修復作用、中和作用などの働きがあります。

ぜひ覚えておきましょう。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題100

良肢位に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)に最も支障が少ない姿勢である。
2 肘関節を伸ばした姿勢である。
3 つま先が下を向いた姿勢である。
4 拘縮を起こしやすい姿勢である。
5 クッションを用いた保持は避ける。

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正解:1

良肢位っていうと、ポジショニングのことでよく言われる言葉ですね。

ってことは横になっていて安楽な姿勢のことなんじゃないかという印象でとらえる方が多いと思います。

良肢位とは関節がその角度のまま動かなくなっても日常生活動作に及ぼす影響が最も少ない肢位(機能肢位)であり、多くの人にとって基準となる角度が定められている

プチナースより

見た目、肘関節を伸ばしていた方が楽そうだけれど・・・でも良肢位の基準としては肘関節は90度で曲がっている方がいいといわれているようです。

下の図が良肢位のイラストになります。

看護rooより フリーイラスト

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題101

胃ろうに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ろう孔周囲のびらんは,放置してよい。
2 ろう孔は,カテーテルの抜去後,およそ 1 時間で自然に閉鎖する。
3 カテーテルの交換は不要である。
4 ミキサー食の注入は禁止されている。
5 経口摂取も併用できる。

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正解:5

胃ろうになったら食事は食べれないと思っている方もいるかと思いますが、胃ろうで栄養を確実に取れるようにし、嚥下訓練をして経口摂取を再開するようになる人もいます。最初はゼリーとかヨーグルトとかから初めて、だんだん職形態を上げていって、最終的には食事を自立させ、胃ろうをふさいでしまうという人もいます。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題102

Dさん(75歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。糖尿病(diabetes mellitus)があり,インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて,食事量が普段の半分程度に減っていたが,医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が朝食をDさんに渡そうとしたところ,顔色が悪く,「胸がどきどきして,ふわふわする」と話し,額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として,ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。

1 発熱
2 脱水
3 低血糖
4 貧血
5 意識障害

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正解:3

これは低血糖ですね。

インスリンをしていて、食事量が減っているという時点で、低血糖の可能性を疑ってもいいかもしれませんね。

こういった場合は、ブドウ糖などをなめさせるなどの対応を行います。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題103

皮膚の乾燥に伴うかゆみに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者では,まれである。
2 水分摂取を控える。
3 顔面に好発する。
4 利用者の爪は短く切る。
5 皮膚をかくことで軽快する。

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正解:4

高齢者は皮膚が乾燥しやすくなりますので、それにともなってかゆみも含めて皮膚トラブルが起こりやすくなります。1は誤りです。

かゆみがあったら水分摂取を控える、って、余計に皮膚から水分量が失われると乾燥し、かゆみなどの症状も起こりやすくなりますね。

好発部位は膝とか背中とかですね。

皮膚をかくことで軽快するってことはないですよね。かいちゃだめ。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題104

入浴介護に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 家庭内での不慮の事故死のうち,入浴関連はまれである。
2 心臓に疾患のある人には,全身浴を勧める。
3 浴槽からの立ち上がりは,ゆっくり行う。
4 食後すぐの入浴を勧める。
5 入浴後,水分摂取は控える。

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正解:3

浴室の事故は非常に多いです。ヒートショックで心臓に負担がかかって、というものから、浴室は滑りやすいので店頭による事故なども多いです。

心臓疾患のある人には半身浴を勧めます。心臓に負担がかかることを避けるためです。

食後するに入浴をさけることも大事ですね。

あと、入浴後だけでなく、入浴前にも水分は摂取しておいた方がいいですね。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題105

排便の仕組みに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 仰臥位は,排便しやすい姿勢である。
2 交感神経は,直腸の蠕動運動を促進させる。
3 食事をとると,便意はおさまる。
4 息を吐きながら腹圧を低下させると,排便は促される。
5 排便時には,外肛門括約筋を意識的に弛緩させる。

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正解:5

直腸の蠕動運動を促進させるのは副交感神経ですね。交感神経が優位な時は緊張しているときですね。だって緊張しているときとか集中しているときって、あんまり便意って感じなくなりますもんね。

排便を促すときは息止めをして腹圧を高めていきみますよね。

なんかトイレに駆け込みたくなる問題ですね。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題106

睡眠に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 加齢に伴って睡眠時間は短くなる。
2 睡眠障害の多くは遺伝性である。
3 過眠は睡眠時間が長くなることをいう。
4 睡眠中は体温が上昇する。
5 睡眠周期は約60分である。

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正解:1

加齢に伴って睡眠時間は短くなります。

これ、だいたい高齢者が夜あまり眠れないとか、早く寝てもすぐに起きちゃうとか、朝4時に起きたとか、その正体はこれですね。

睡眠に関する出題はかなり多いです。このこころとからだの分野ではだいたい毎年出題されています。2問出題されるときもありますし、今回もそうでしたね。

レム睡眠とノンレム睡眠の違いなどは特にチェックですね。

不眠症や中途覚醒など、高齢者の睡眠について確認しておきましょう。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度) 問題107

睡眠に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者の中途覚醒は,水分の摂りすぎが原因である。
2 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は,下肢を動かすと症状が軽快する。
3 仰臥位で眠ると,いびきが改善する。
4 睡眠時間の確保には,寝だめが有効である。
5 熟睡するには,就寝前の飲酒が有効である。

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正解: 2

これも睡眠の問題です。

寝だめとか飲酒とかだめですよ。

レストレスレッグス症候群はむずむず足症候群とも言います。

レストレスレッグス症候群(従来はむずむず脚症候群と呼ばれていました)は、夕方から深夜にかけて、下肢を中心として、「ムズムズする」「痛がゆい」「じっとしていると非常に不快」といった異常な感覚が出現してくる病気です。 足を動かすとこの異常感覚はすぐに消えるのですが、じっとしていると再び出現してきます。

e-ヘルスネットより

脚の深部の何とも言えない不快感は、もしかしたらレストレスレッグス症候群かもしれません。原因や症状、治療法について正しく理解しましょう。「レストレスレッグス症候群」のページです。
レストレスレッグス症候群|大塚製薬 - 大塚製薬株式会社 Otsuka Pharmaceutical

足の不快な感覚がその症状ですけれど、足を動かすとすぐにその不快感が消えるんだそうです。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度) 問題108

Eさん(75 歳,男性)は,2年前に肺がん(lung cancer)と診断されて,抗がん剤治療を受けていたが,効果がなく1か月前に治療を中止した。その後,日常生活に支援が必要となり,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。訪問介護員(ホームヘルパー)は初回訪問を終えて帰ろうとした時に,いきなりEさんから,「もう来なくてもいい」と厳しい口調で言われた。また,「どうして私だけが,がん(cancer)にならなければならないのか」という言葉も聞かれた。
Eさんの心理状態について,キューブラー・ロス(Kübler-Ross, E.)が提唱した心理過程の段階として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 否認
2 怒り
3 取り引き
4 抑うつ
5 受容

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正解:2

キューブラー・ロスの死の受容です。

これも頻出問題なのですが、覚え方としてはH・I・T・U・JIで覚えるんだそうです。

否認(H)・怒り(I)・取引(T)・抑うつ(U)・受容(J)という頭文字をとったものになります。

このキューブラー・ロスの死の受容はこれまでも出題されています。

覚えておけば確実に点数が取れる問題なのでチェックしておきましょう。

こころとからだのしくみのポイント

「こころとからだのしくみ」という分野のタイトル名で、難しくなさそうに聞こえますが、これは以前の介護福祉士国家試験では「医学一般」という分野名でした。そういわれると急に難しそうな気がしませんか。

たしかに看護的な内容でわからないという問題はあると思います。これも範囲は非常に広いので学習にも限界はあります。

ただ、ライチャードやキューブラー・ロスなどの、パターンが固定されている頻出問題がありますので、しっかり押さえておけば確実に加点できます。

難しい問題とそうでない問題のふり幅は大きな分野ですが、落ち着いて取り組んでいきましょう。