次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。
[事例]
Bさん(72歳、女性)は1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で倒れて、不全麻痺は残ったが、自力でベッドから車いすに移乗できるまでに回復した。
食事や排泄はベッドから離れて行えるようになり、在宅で生活することになった。
Bさんは長女と同居しているが、長女は働いていて日中不在なので、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
Bさんは日中はベッド上での生活が主体である。車いすの左側のブレーキをかけ忘れることや、左側の物に気づかずに衝突してしまうことがある。
また、食事の時にお膳の左側の食べ残しが目立ち、屋内の生活にも何らかの介助が必要である。
問題(1)
Bさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1 全般性注意障害
2 失行
3 見当識障害
4 実行機能障害
5 左半側空間無視
正解を見る正解:5
左側のものに気が付かずに衝突する、でピンと来た方も多いと思います。あえて問題文に「左側」って書く意味があるとしたらこういうことになりますよね。
問題(2)
Bさんの状態に該当する障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ランクA1
2 ランクA2
3 ランクB1
4 ランクB2
5 ランクC1
正解を見る正解:3
あまり日常生活自立度が問われる問題ってなかったと思いますが。
・食事や排せつはベッドから離れて行う
・屋内での生活にも何らかの介助が必要
というところから判断してB1ですね。
詳細はこんな感じです。昔は「寝たきり度」って言ってました。
J :何らかの障害等を有するが,日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。
J1)交通機関等を利用して外出する。
J2)隣近所へなら外出する。
A :屋内での生活はおおむね自立しているが,介助なしには外出しない。
A1)介助により外出し,日中はほとんどベッドから離れて生活する。
A2) 外出の頻度が少なく,日中も寝たり起きたりの生活をしている。
B :屋内での生活は何らかの介助を要し,日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ。
B1)車椅子に移乗し,食事,排泄はベッドから離れて行う。
B2) 介助により車椅子に移乗する。
C :日中ベッド上で過ごし,排泄,食事,着替において介助を要する。
C1) 自力で寝返りをうつ。
C2) 自力では寝返りもうたない。
問題(3)
ある朝、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、Bさんが寝室の床に倒れていた。
訪問介護員(ホームヘルパー)が最初に取るべき行動として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 床から抱き起こす。
2 家族に連絡をする。
3 救急車を呼ぶ。
4 意識を確認する。
5 主治医に連絡する。
正解を見る正解:4
まずは意識の確認を最優先ですね。