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第31回介護福祉士国家試験過去問題 医療的ケア

医療的ケア

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題109

次のうち,スタンダードプリコーション(standard precautions:標準予防策)において,感染する危険性のあるものとして取り扱う対象を1つ選びなさい。

1 汗
2 唾液
3 経管栄養剤
4 傷のない皮膚
5 未使用の吸引チューブ

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正解:2

スタンダードプリコーションに関する問題は今回が初めて出題されました。

スタンダードプリコーションが何かというと、すべての患者からの体液や血液、分泌物などを感染可能性のあるものとして取り扱いましょうという感染予防の考え方です。疑わしいものは感染する可能性のものとして予防の対策をしていきましょうということです。

具体的には血液、体液(汗を除く)、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚 などを意味します。

この問題の中で出てくるものとしては2の唾液です。

ちなみに、汗の選択項目がありますが、体液の中で汗は感染可能性のあるものとしての対象からは除外されています。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題110

喀痰吸引の実施が必要と判断された利用者に対して,喀痰吸引を行うことに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 日中は,1時間おきに吸引を行う。
2 食後の吸引は避ける。
3 入浴時は,その前後に吸引を行う。
4 就寝後は吸引を控える。
5 仰臥位を2時間保ってから行う。

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正解:3

吸引に関する問題です。

食後の吸引に関しては、以前は嘔吐反射が起こりやすくなるからやめるようにとか言われた気がするけれど、食後も痰でゼロつきやすくなりますから吸引が必要ですね。

5の業界を二時間保ってから行うってやっていたら窒息するでしょうね。

入浴時にはその前後に行うのが望ましいですね。入浴後は特にあたたまって分泌物が出やすくなりますので、吸引が必要になりますね。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度)  問題111

気管切開をして人工呼吸器を使用している人の喀痰吸引に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1.気管カニューレを抜いて,吸引を行う。
2. 頸部を前屈した姿勢にして,吸引を行う。
3. 1回の吸引時間は,20~30秒とする。
4. 吸引チューブの挿入の深さは,気管分岐部の手前までである。
5. 吸引を終了した後は,人工呼吸器の作動状況を確認する。

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正解:5

これも吸引に関する問題です。

一回の吸引時間が20~30秒はどう考えても長すぎますよね。

長くても10秒程度。取り切れない時には、短い時間で何回かに分けて吸引をするようにしましょう。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度) 問題112

胃ろうによる経管栄養の実施手順として,栄養剤を利用者のところに運んだ後の最初の行為として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 体位の確認
2 物品の劣化状況の確認
3 栄養剤の指示内容の確認
4 本人であることの確認
5 経管栄養チューブの固定状況の確認

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正解:4

どれも内容的に間違っているという選択肢ではないと思います。

ただ、 栄養剤を利用者のところに運んだ後の「最初の行為」として、何が最適でしょうという問題です。

ということで、頭の中でイメージして一番しっくりくるのはおそらく4の本人確認になるかと思います。

第31回介護福祉士国家試験(平成30年度) 問題113

イルリガートル(注入ボトル)を用いた経鼻経管栄養に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 栄養剤は,半固形化栄養剤を用いる。
2 嘔気があるときは,注入速度を遅くして滴下する。
3 イルリガートルに栄養剤を入れてから,2時間後に滴下する。
4 栄養剤の液面は,胃から50cm程度高くする。
5 使用した物品は,消毒用エタノールにつけて消毒をする。

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正解: 4

今度は経鼻経管栄養についての問題です。

栄養剤は高いところから注入するというのはわかるかと思います。

半固形化栄養剤は、エンシュアなどの栄養剤を半固形化(ゲル化)して注入するためのものです。

注入で下痢などを起こしやすい人などに使用します。注入物の吸収をゆっくりすることができ、嘔吐などの予防につながる注入方法です。

正解は4なのですが、胃ろうじゃないのになんで胃の高さなの?と疑問に感じた人もいるかもしれませんが・・・。

医療的ケアのポイント

医療的ケアは吸引・注入の二本柱です。ケアを行う手順に沿って行えるかを問う問題が主です。

でも、実務者研修の実技演習でやったけれど、覚えていないという方も多いでしょうね。施設などであれば吸引などを行う機会もあると思いますが、実際、在宅の利用者さんが介護職員からの吸引を必要とするケースは限れます。

普段からやっていないと、てじゅんがごちゃまぜになりますよね。

ぜひ頭の中で手順を一度整理してから試験に臨むようにしましょう。